神楽の歴史
神話の時代から現代まで、年表と4つの時代で読む
神楽(かぐら)は、神様を迎え、災いを祓い、神様とともに楽しむために神前で奉納される歌と舞です。[1]古くは「神遊び」とも呼ばれました。[2]「かぐら」という言葉は「神座(かみくら)」が変化したもの、というのが定説です。[2]
全国には4,000を超える神楽があるといわれます。[1]ひと口に「神楽」といっても、宮中に伝わる御神楽もあれば、神社の湯立や獅子舞、能のような物語の舞もあり、その姿はさまざまです。このページでは、そうした違いがどんな歴史から生まれたのかを、時代を追ってたどります。
神楽の年表
- 神話
天岩戸の前で天鈿女命が舞ったと伝わる(古事記・日本書紀)
古代で、くわしく - 807年
『古語拾遺』に「神楽」の語が初めて出てくる
古代で、くわしく - 1002年
宮中の内侍所御神楽が始まる(1005年とも伝わる)
古代で、くわしく - 1189年
高千穂に伝わる文書に「七日七夜のごじんらく」と記される
中世で、くわしく - 1281年
異国征討を祈る臨時の神楽が行われる
中世で、くわしく - 1512年
佐太神社で「御座之祭」が行われたと記録に残る
中世で、くわしく - 1608年
佐太神社の神職が、能楽の形式を取り入れた「神能」を始めたと伝わる
近世で、くわしく - 江戸時代
伊勢の太太神楽が各地に広がり、江戸では里神楽が発達する
近世で、くわしく - 1800年代前半
西林国橋が神代神楽を加え、備中神楽の形を整える
近世で、くわしく - 明治時代の初め
神職が神楽を舞うことが禁じられ、氏子が舞い手になる
近代・現代で、くわしく - 1908年
皇室祭祀令で、御神楽が「小祭」のひとつに定められる
近代・現代で、くわしく - 1919年
佐太神社古伝神事保存協会が結成される(大正8年)
近代・現代で、くわしく - 1976年
重要無形民俗文化財の指定が始まり、佐陀神能が選ばれる
近代・現代で、くわしく - 1978〜81年
高千穂の夜神楽や備中神楽、土佐の神楽、伊勢大神楽などが、相次いで国の重要無形民俗文化財に指定される
近代・現代で、くわしく - 2011年
佐陀神能がユネスコの無形文化遺産に登録される
近代・現代で、くわしく - 2022年
全国神楽継承・振興協議会が設立される
近代・現代で、くわしく - 2025年
神楽が、ユネスコ無形文化遺産への2028年の提案候補に選ばれる
近代・現代で、くわしく
4つの時代
神楽の大きな分け方
- 御神楽(みかぐら)宮中の神楽。毎年12月に賢所で行われる
- 里神楽(さとかぐら)各地の神社や民間で行われる神楽
- 巫女神楽巫女の神がかりによる託宣や鎮魂
- 出雲流島根県の佐太神社が典型
- 伊勢流釜の湯を使う湯立神楽。霜月神楽・花祭など
- 獅子神楽獅子頭で悪魔払い。山伏神楽・番楽・伊勢大神楽など
神楽は、まず宮中で行われる「御神楽(みかぐら)」と、各地の神社や民間で行われる「里神楽(さとかぐら)」に分けられます。[2]里神楽は、さらに次の4つに分けるのが一般的です。[2]
| 巫女神楽 | 神官や巫女の神がかりによる鎮魂や託宣を、もとにした神楽です。 |
|---|---|
| 出雲流 | 島根県の佐太神社の七座神事と神能が典型とされます。高千穂神楽がこの系統に数えられることもあります。 |
| 伊勢流 | 伊勢神宮の湯立神楽に由来します。釜の湯を使う霜月神楽や花祭、遠山の霜月祭などに、その姿が残っています。 |
| 獅子神楽 | 獅子頭の力で悪魔払いや火伏せを行い、息災を祈ります。東北の山伏神楽や番楽、伊勢大神楽などがあります。 |
時代ごとに読む
出典
- 全国神楽継承・振興協議会(全国神楽継承・振興協議会) ↩
- 神楽(日本大百科全書・世界大百科事典・日本国語大辞典ほか)(コトバンク) ↩